閉塞感のある職場では働きづらい。
「閉塞感」とは、閉じ込められている息苦しさを感じることだ。
以前勤めていたある会社は、その会社の事業の根幹をなす外国政府との利権契約が40年間の期間終了まで数年に迫っているのに、延長ができるのかできないのか、先行きが一般社員には全くわからず、閉塞感が蔓延していた。*1
「『もうダメだ!』と思ったときに読む本」(斎藤茂太2006年)にこんな一節があった。
「人間が悩みに落ち込むのは、だいたいが先が見えないときだ。どちらの方向に進んでいいのか分からず、どん詰まりのような気分になる。迷い、動けなくなって、もちろん状況はちっとも変化せず、ますます落ち込む」
組織の閉塞感が生まれるのは、「先行き」が分からないこと」が一つの原因である。その分からない先行きに、組織としてどう対応しているのかが分からない。だから社員に閉塞感が充満する。
閉塞感を打破して、息苦しさから開放するためには、情報の共有が必要である。もっと踏み込んでいうと、次の点についての共通認識が必要である。
1・今までどんな経過があって(文脈)
2・今現在、どんな状況であって(背景)
3・組織が目指しているのはなんであるのか(究極の目的)
4・そのために、今なにをしようとしているのか(当面の目標)
5・今、求められている行動は何か(採用された手段)
コミュニケーションとは、文脈と背景を共有することなんですよ。
任天堂の岩田社長は常々そうおっしゃっていた。部長なら部長、課長なら課長で、それぞれの階層に応じて、上の1〜5を理解して、部下とコミュニケーションをとって閉塞感を打破することが求められた。
その通りうまくできたこともあったし、できないこともあったけど。
© 朽木鴻次郎
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*1:社長以下経営陣も「先行きが全く分からない」状態にあった。酷いものでした。