マネジャーの仕事は:
会社組織としての「やるべきこと」を見据えて、どうしたらチームと会社の全体最適が生まれるのか、それを考えることにある。
前回はそんな話をした。
今回は、マネジャーの資質と技術の話をします。
「資質」というと、「持って生まれた」性質や才能、能力と思われるかもしれない。しかし、マネジャーに求められる「資質」は後天的に獲得できるものである。
マネジャーに求められる資質は多様なものだ。例えば、悲観的でありかつ楽天的である、などと正反対ものであったりもする。
彼女は課長になって、大きく成長したな...!
などと言われる通り「器が人を大きくする」という言葉もまた真実であり、マネジャーとしての資質が決して先天的、持って生まれたものに限られないことの一つの証明と言える。
一方、「技術」とは、物事を取り扱ったり処理したりする手法や手段のこと。マネジメントはマネジャーの資質によるだけでなく、そのマネジャーが持つマネジメントの「技術」によって大きく左右されるのである。技術を知っているのと知らないでいるのとでは、仮に資質が同じであったとしても、結果に大きな差がついてしまう。
とはいえ、資質はそれぞれのマネジャーの性格や人間性によるところは大きい。オレンジの五角形はマネジャーの人間性を示している。 資質はその中にある。一方で、技術はあまり人間性によることはなく、そこから離れたもので、ある意味汎用性の高いものである。
イメージとしては上図。
簡単な例をあげる。
クラシック・カメラの電池を入れるところ。フタが開いている。このフタはなくなりやすいので、閉めておかなければならない。
・フタが開いているなら放置してはいけない、閉めておくべきだ、と考えるのが「資質」である。
でもどうやって? 普通のドライバーではうまく合いそうにない。
・こういうタイプのフタを閉めたり開けたりするためにはコインを使う。これを知っていて実際にフタを閉めたり開けたりできること。これが「技術」である。
・何をすべきか・すべきでないか、どうすべきか・どうしてはいけないか、それがわかるのが資質。
・実際に行動を実行にうつすこと、あるいはあえて実行しないこと、それがができるのが技術。
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次回からは、本論。マネジャーに求められる資質と技術をどのように展開運用して、マネジャーとしてのやるべきことを追求するかの話をします。
【注意】組織を構成する集団のトップに対する呼称は様々である。上司、ボス、責任者、リーダー、ヘッド、管理者などなど。それぞれの言葉には少しづつ異なるニュアンスがある。ここではマネジメント」を行う機能を持つ者への呼称として、一番汎用的で、いわば無味無臭に近い「マネジャー」を使用しています。
© 朽木鴻次郎
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