小学校の4年生ぐらいだったと思う。毎週読んでいたマンガ週刊誌、多分少年マガジンに、マノック商会という通販会社の広告があって、シーモンキーとか、銀玉鉄砲に毛の生えたような玩具を売っていた。
あるときその広告を見ていたら、ちょっと気になる銀玉テッポウの
・腕巻きピストル
があって、いいな、と思ってよく読んでみると、その惹句が「売り切れ迫る!今すぐ申し込みください!」でした。真に受けたぼくは申し込みをしようとハガキを用意したところ、それを見かけた母方の伯父が:
「コージローくん、宣伝広告は皆そういう言い方をするんだよ。欲しくなければ買わなくてもいいんだ。欲しくても本当に欲しいのかどうかよく考えて『今すぐ』買わなくてもいいんだよ」と、教えてくれました。
・今買わなくてもいい
・よく考えて本当に欲しいものを買う
・欲しくないものは買わない
その教えをその後も守れていれば、今まで無駄にお金を使わずに済んでいたんだろうけどな......
資本主義の世の中なのです。他人にお金を使ってもらったり、働いてもらったりして、自分たちのお金を増やす。
そのためにものすごい数の人々が「ものすごーく」頭を使っている。
こっちはたったひとりだし、しかも頭もボケてきてるんだから、そんな人たちからのお誘い・誘惑にかなうわけがないのよ。
ぼくらからお金を吸い上げるそういうシステム・体系が渦巻いている。批判しているわけじゃないですよ。おれだって、文脈によっては吸い上げる側にまわってるんだもの。
・老後の生活を豊かに過ごすためには月々XX万円必要です。
・年金では足りません。
・インフレになったら貯金は溶けてなくなります。
・働きたくても老人には仕事はありません。
・働きたくても老人には働くだけの気力体力はなくなります。
ですから......
・XX歳までにX千万円・X億円の資産形成しなさい。
・貯めたお金を投資して増やしなさい。
ぼくは信じない。
自由主義の世の中なのです。信じる信じないはぼくが決める。
・見栄でお金を使ったり、無駄な出費は控えなさい。
・収入と支出をしっかり把握しなさい。
・コツコツと貯金しなさい。
・計画的にお金を使いなさい。
・身体と心の健康を保ちなさい。笑顔でいなさい。
・自分のためにしっかり働きなさい。
ぼくは信じる。