〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

高いものが好きなんだよ。高いから好きなんだよ。

関東生まれで関東育ちなせいか、肉は豚肉がうまいと思う。カレーも豚肉です。豚肉は適度に脂の乗ったものがうまい。一方で、牛肉は赤身がうまいと思う。Tボーンもうまいが、ランプステーキをレアでいただくのがうまい。

以前、三嶋亭でスキヤキをいただいたんです。一人前が大きな霜降り肉二枚。霜降り肉もおいしいけど、一枚でいいや。


マグロはトロもうまいが、大トロなら、一個でいいなあ。むしろ赤身を芯にした鉄火巻きがうまいと思う。

 

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「コージロー......、加工肉ばっかり食べるなよ...」

子供の頃、親父によくそんなことを言われました。

プレスハムが好きだったんですね。鎌倉ハムとかではなくて、周りが真っ赤になってるプレスハム。

 

今ではもうないですよ、あのプレスハムは。先だって似たようなのがスーパーで「懐かしの...」みたいな感じで売ってたんで、食べてみたけど違かった。

 

 

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食べ物でも、カメラでも腕時計でもそうなんですけど....

高いものにも当然いいものはある。しかし「値段が高いこと」それ自体が価値になってることもある。

大昔、マーケティングの授業でこんな事例を習いました。

売れない宝石店(だったかな?)の店主が、あんまり宝石が売れないので、値下げ作戦に打ってでた。「店の宝石の値段を全て半額にしろ!」と現場の販売員に指示を出したんです。ところが販売員さんが間違えて、「全て、2倍の値段」を付けてしまったところ、あっという間に全部売れてしまった。

 

 

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マーケティングのクラスでの議論は忘れてしまいました。「高いと売れる場合もある」、だったのか、「宝石なら高い方が顧客が満足する」、どっちだったかな。

 

それとも、「指示はちゃんと出せ」だったか、「失敗も運が良ければうまいこと転ぶ」、だったのか... 忘れてしもうた。

ともかく、ぼくも含めてある種の人々は、高いから、高いことに価値を見つけることもあるのは確かですし、それで幸せならそれはいいんです。ただ、それを狙った商売を仕掛けている人たちもいることは覚えておきたいな。

 

 1・自分でモノゴトを決めて

 2・ある種の行為をして

 3・その結果がすぐに判明する

この一連の流れに人間は快感を見出すらしい。ギャンブルがそうだ。

 

お金を使うこともその一つ。

 1・これを買うと決めて

 2・一所懸命働いて貯めたお金を財布から出して渡して

 3・引き換えに「もの」を手にする

 

それが本当に欲しいのか、欲しかったのかというとそうでもないときがある。

志ん生の落語「道具屋」は:

「なんか買いてえなぁ、なんか買いてえ!」

タンスとか刀とか、欲しい「もの」があるんじゃなくて、純粋に「買う」ことが目的な男のセリフから始まる。

 

「楽しいお買い物」「ショッピングを楽しみましょう!」とも言われるよね。別な日本語に言い換えると「お金を使うことが楽しいんですよ」という意味だ。

 

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I got paid and I have some money to burn.

ゼニは貰ったんだし、パーっやろうぜ!

 

 

© 旅芸人・tavigayninh・朽木鴻次郎

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