〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

ぼくがやりました!

 

中学校の友人でカズオがいる*1。卒業シーズンを迎えて一つ思い出したことがある。

 

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高校受験の結果も出て、卒業式に向けてクラスのホームルーム・学活の前の休み時間に、彼が教室の黒板に、白墨で大々的な落書きをした。

その落書きというのが、ちょっとエッチ、どころではなく、M字開脚のヒワイ〜なものでした。ぼくは教室の最前列、黒板に向かって一番右端の席だったもので、何が描かれてるかはよくわからなかったのです。ほんとよヽ(´▽`)/ 

女の子たちが顔をひそめていたのでなんとなく「変だな〜」程度に思ってた。

 

時間になって、担任のトーザイ先生が教室に入ってくる。当然黒板の落書きに気づく。

コージロー、すぐ消せ!

 

えぇ〜? ぼくは別に犯人じゃないし、学級委員長でもない、単なる一生徒ですよ。目についたんでしょうね、無邪気にニコニコしてたもんだから、一味と思われたのかも?

わけもわからず、「ハイ!」と立ちあがって、黒板に向かって「こりゃやべーな!」と気がついた。そのとき

ぼくがやりました!

 

そう言って立ち上がり、すぐに落書きを消しに駆け寄ってきたのが張本人のカズオです。トーザイ先生にひっぱたかれていたな。まー、当たり前です。

 

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続いて思い出した。

中三の修学旅行で京都に来たとき、消灯時間もすぎて騒いでいたのが、ニシグチ。彼とぼくとは横顔や髪型がちょっと似ていたせいか、騒ぎを聞いて駆けつけて来た「じっちゃん」というあだ名の定年間際の社会科の教師が彼をぼくだと勘違いした。

クチキ、何をしてるんだ、もう寝ろ!

じっちゃん、そーとー酔ってたよ。でもそのとき、ニシグチは:

すみません、ニシグチ、です...

と本名を名乗っていた。彼もゲンコでぶん殴られてた。

じっちゃん、酔ってたしなヽ(´▽`)/ 

 

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彼らだけのことじゃない。ぼくも含めて、教師から「誰がやった!?」と聞かれれば、「ぼくです」と手をあげたものだ。そういうイサギヨサみたいなものがあったな、当時のあの中学校には。

東京の日本橋や深川の生徒が多かったので、土地柄なのかもしれない。

 

その後、高校に進み、大学を出て、社会人になり、それも九割がた以上卒業してしまったけど、歳をとるにつれて難しくなってくるそんな「イサギヨサ」、カッコつけていうと「フェアであること」をぼくは持ち続けていられたのかな?

当時のような不純物のない100%の形ではないけれど(そんな純度の高いものは危険すぎて、一発であの世行きだ)、ほかの有機質やらミネラルやらをとりこんで、あまくコーティングして銀紙に包んだ形ではポケットに入れ続けてきたような気もする。

いずれにせよ、鬼束ちひろが歌うように、正義や現実など今更どうにもならないんだけれどな。 

 

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*1:「カズオ」をはじめ、この記事に出てくる人物は全て仮名です。