〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

「よそでも通用するスキルを身につけたい!」って若者も定年間際のシニア世代も思ってるの?

多くの若者が「どこでも通用するスキルを身につけたい」と願っているらしい。また、「転職してもやっていけるほどの人間になってほしいと若手にはいつも言っているんです!」などと意識高めなシニア上司がしたり顔でそう言っていることもある。

定年間際に「定年後も通用するスキルを身につけるために」などと言って高額のセミナーに行ったり、実務経験とかけ離れた資格を取ったり。まあ、いいんですけどね。
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「今いる組織では全然自分の成長につながらない」とは:
→ 今いる組織では自分の持っているスキルの拡大向上にはつながらない。今いる職場で必要とされている/使われているスキルはゆるすぎる、つまり、レベルが低すぎる。
→ 今いる組織では、その組織固有のスキルが多くて(例えば、謎ルール)、別のところで通用するスキルとは思えない。

そう思っている。そう感じている。多分こう考えている。

 

ちょっと見方を変えてみよう。今の職場とか、別のところとか、ではなく、仕事に必要なスキルの性質に着目する。

三つに分けてみよう

1. 実質的なスキル(Technical Skills/Hard Skills)
職種ごとに必要とされる専門知識や技術のこと。特定の業務を遂行するための基礎となり、その職種の専門家としての能力を示すもの。これが欠けていると、その分野での信頼性や基本的な業務遂行能力に影響が出でる。経理、営業、ITエンジニアリング、設計技術、製造管理、いろいろあるだろう。

2. 人間的なスキル(Human Skills/Soft Skills)
こちらは、特定の職種ではなくどの職種においても必要かつ重要なスキルである。人との関係を築き、チーム内で協力して仕事を進めるためのコミュニケーション能力や共感力、リーダーシップ能力が含まれる。ちょっとダーティに聞こえるかもしれないが、上司の機嫌を取ったり、職場のみんなにちょっとしたプレゼントを送ったりすることも含まれるよ。これらのスキルは、職場の雰囲気を良好に保ち、チームワークを促進するものである。

3. 手続的なスキル(Process Skills/Procedural Skills)
稟議手続きや、意思決定会議、など規定などで確立されている手続きもあれば、根回しや縦横斜めの調整、そんなものも物事の決定には必要だ。経費精算や支払い伝票の回付、航空機や新幹線、宿泊場所の手配、領収書の発行や返金手続きなんかもあるだろうし、社内外でのメールの連絡、電話対応にも、このスキルは必要である。もちろん。

そして、この三つのスキルもまた独立別個のものではない。重なり合っている。

 

便宜上、同じ大きさの円で示したが、職場職場によって重視されるものは違うだろうな。

職歴という時間軸によっても変わってくるだろう。

ここで二つの議論をした。今の職場で必要とされるスキルと普遍的なスキル。そして、実質的、人間的、手続的スキルである。これを重ねると次のようになる。


一つづつ見ていこう。

1. 実質的スキル

今の職場じゃ、全然レベルが低くて、これで5年? 新しいことが覚えられないよ。他所では全然通用しなくなっちゃう!!!!

ふむふむ、はいはいはい。

 

2. 人間的スキル

今の職場は、人間関係ばっかりだ!...でもこれってすごく重要なことなのですよ。

最後に
3. 手続的スキル

これは組織組織でやり方がかなり違うから、別のところでは、また別の手続きが必要になって、戸惑うことが多い。今の会社で「謎ルール」が多いと感じても、別のところでは別の「謎ルール」があったりする。

インターフェイスが違うんですよ。

スタートアップにはそんなことがないだろう?って。あはは。そうならいいけどね。もっと謎ルールが多すぎたりしたりして。

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実は会社人人生を34年やって、転職も三回したけど、そこでの実感は、今の職場でのスキルと別のところでのスキルって、すごく関連している。相互依存と言ってもいいかも。

今のところはヌルすぎる! ステイタスパラメータ数値のガチャに外れた! えい、リセットだっていうのはそれが許されるRPGだけのこと。

もうちょっとしぶとく、今の所で学ぶのな何かな、なにをレベルアップさせたらいいのかなと考えてもいいような気がします。

©️朽木鴻次郎 プロダクション黄朽葉

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