〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

頭のいい人たちの言葉を信じるなよ

ほんとは豚のモツだけど「やきとり」と言うところもある

ぼくなんかは素直なマヌケだから、頭のいい人たちが、「xxxして生きるべきだ」「これからはxxxではなくてzzzですよ」「タレで焼き鳥は食べてはダメ、これからは塩ですよ塩!」「ステーキにケチャップは田舎者!」とか言っているのを聞くと、うん、うん、そうだよなぁってすぐに共感してしまう。
 
味はおんなじでも色だけ違うお菓子を「新作」って言われて出されれば、新しい味でおいしいなぁって思うし、「安心した老後には3億円必要です」ってファイナンスの専門家が教えてくれると、どうしたらいいんだろうって、途方にくれて日照りの夏にオロオロと涙を流すしかない。
 
でも、どうやら、みんなは本当のことを言っているわけではないらしい。
ウソツキたち。
 
最終的に決断とは自分一人で行わなければならないものだ。そして決断の結果の責任を負う。
 
それを自由というし、孤独ともいうのだ。

・こう生きなさい
・こう考えなさい
・こう仕事をしなさい
・こう儲けなさい
・こうお金を使いなさい
・こう死になさい

・定年後を生き抜くためのベストな納豆の食べ方5選
・どう生きるべきか3選
 
こうしなさい、ああしなさい、オススメはこれです、〇〇のためのベスト〇選って、うるさいうるさいうるさい(`Д´)
 
          ***    ***

古い漫画映画でこんなシーンを観た。


海で遭難した動物たちが命からがら孤島に漂着する。だれも皆、濡れた身体を早く乾かしたいので、浜辺で火を焚くことにした。
 
「焚き火の周りをグルグル回れ〜、その方が早く身体が乾くよ! グルグル回れ、グルグル回れ」
 
リーダー格のドードー鳥がそう声をかけつづける。でも、砂浜で火を焚いているものだから、大波が来るとみんなまたすぐずぶ濡れになってしまう。
ところがリーダーのドードー鳥は大波が来るたびに、焚き火をひょいっと持ち上げたりして(マンガですからね、熱くはないんでしょう)、燃える焚き火をキープして、自分だけは波に濡れないポジションを保ちながら賢く身体を乾かしてしまうのだ。
他の動物たちは、大波が来るたびにずぶ濡れになりながらも、ドードーがキープしている焚き火の周りをグルグル回っている。
 
「グルグル回れ、もっともっと、グルグル回れ! 回り方が足りないよ!」

 

ドードーは自分(と大事な焚き火)だけは波を被らないように工夫しながら、ずぶ濡れの皆に声をかけつづける。
 
「ほーら、こっちはもう身体が乾いてしまったよ。グルグルまわれ、焚き火の回りをグルグル回るんだ!」
 
他の動物たちは、身体が乾くことを信じて、大波が来るたびにずぶ濡れになりながら、ドードーが小狡くキープする焚き火の周りをグルグル回り続けている......
 
多分、アニメの「不思議の国のアリス」だったと思う。原作のコーカスレースとは随分違うシーンにはなっているらしいけど。

.......あれ? そっか、ドードーは嘘ついてないのだな? 
うん、嘘はついてないよね。
 
というかですね、ドードーが嘘をついているかどうかとか、本質的に「ぶた肉」であるところの「焼き鳥」は塩なのかタレなのかとか、そんなことはどうでもいい。
ぼくはポークステーキを食べたいし、ソースはにんにく醤油がいいのですヽ(´▽`)/ 


好きに食わせろ、って思います。

 

©️朽木鴻次郎 プロダクション黄朽葉

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