"I don't know what you mean by 'glory,' " Alice said.
Humpty Dumpty smiled contemptuously. "Of course you don't—till I tell you. I meant 'there's a nice knock-down argument for you!' "
"But 'glory' doesn't mean 'a nice knock-down argument'," Alice objected.
"When I use a word," Humpty Dumpty said, in rather a scornful tone, "it means just what I choose it to mean—neither more nor less."
「あなたがどんな意味で『栄光(glory-グローリー)』という言葉を使ってんのわかんないよ」とアリスは言いました。
ハンプティ・ダンプティは小馬鹿にしたように笑いながら、「わかるわきゃないさ、説明してないんだもの。『びっくりしてひっくり返っちゃうような理屈 (argument) 』という意味で使ったんだ」
「だって『栄光』にはそんな『びっくりしてひっくり返っちゃうような理屈 (argument) 』なんて意味はないじゃない!」とアリスは口をとんがらかしました。
すると、ハンプティ・ダンプティはなんかちょっと見下すように言いました。
「吾輩が言葉を発するときにはだな、吾輩が意味するところの意味を意味しておって、正確に意味するだけのこと以上の意味も一部だけの意味でもさにあらず、その意味で他の意味は意味しないのだ」
鏡の国のアリス- ルイス・キャロル
これを「ハンプティ・ダンプティの定義」という。
「そうじゃない、本当の枝豆の食べ方はね......」
「日本人はお風呂の入り方が下手なんだと思うのですよ。お風呂を上手に入るためにはこうするんです」
「リーダーシップとマネジメントを混同してはいけない。目的と目標や、戦略を計画と勘違いしている人も多いです。ですから私たちの提案では......」
「インターネットが進んでどんどんどんどん不確実性が増している現代......」
「働き方改革により、現場では『ジタハラ(時短ハラスメント)』が増えるでしょう」
「土方や沖田に比べて、影が薄い近藤勇ですが......」*1
「モラハラ(モラルハラスメント)はパワハラやセクハラに比べて、あまり認知されていませんが、実はとっても深刻な問題を引き起こすものであって.......」
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自分で前提や言葉を定義したり作ったりして、それが正しいとか正しくないとか、この世の中はハンプティ・ダンプティばっかりだ。
ぼくが好きな玉子の食べ方は、目玉焼き。サニーサイドアップ。
目玉焼きじゃないじゃん!?
吾輩はこれを『目玉焼き』と定義してそう呼ぶのだ。吾輩が『目玉焼き』という言葉を使う場合それ以外の意味は一切排除している。
『定義(difinition)』と『性質決定(qualifications)』とは違うのだよ。
© 朽木鴻次郎
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*1:新撰組ファンだという女性漫画家がTV番組(天然理心流の実戦での強さを検証するものだったな)でのたまわってて、本当、塀の上から落っこちそうになるくらいびっくらこいた!