〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

紋切り型の切り口・「境界線」

ハラスメント法案が可決されたことで、関連記事をよく見かけるのだが、いわゆる「紋切り型」の切り口が多い。

 

・ハラスメント判断、境界線を引くのが難しい
・パワハラ!セクハラ!と言われるから、職場で世間話もできない

 

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先日(2019.5.10)出版された:

「ハラスメントの境界線」白河桃子 中公新書ラクレ

とても参考になって勉強になる本でした。

その195ページに「SSMW Spectrum of Sexual Misconduct at Work」が紹介されていました。どうやらアメリカの大学の先生がお考えになった、職場でのセクハラの程度(の悪さ)が段階的に示されているものでした。

それを元にちょっとかみくだいて作った「セクハラものさし」がこちら。一段階外して、言葉をわかりやすく置き換えただけのもの。職場でのセクハラが、性的言動・固定的役割分担を含む差別的言動であるという定義に合わせてみただけのものです。

 

<セクハラものさし>*1

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このものさしを使って、現実の問題行為がどこに入るのかを考えてみる。

そしてどのような状況でどのような態様で行われたのか。その頻度、その辺を具体的な事例で考えてみると、「線」は引けないかもしれないけど、ある程度の判断、どの程度「アカンやつ」なのかの判断はできるんじゃないかなと思います。*2

 

© 朽木鴻次郎
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HPはこちらです。

kuchiki-office.hatenablog.com

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*1:一番上は「性的/差別的とまで言えない」の方がいいかも。

*2:パワハラはすでに厚労省のガイドラインがあるし、法改正に依拠したガイドラインの改正も行われるみたいだけど、問題の指示や指導/叱責がどの程度「適正業務の範囲から逸脱するかを段階的に判断するために、上のものさしはパワハラにも使えるかと。もちろん「声を荒げる」のは「アカンやつ」やな。上から3番目か4番目かな。