〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

ママ向けマンガが面白い


定年を迎えてから、ぼくが見つけた新しい楽しみ。それは、ネットのママ向けマンガです。そこではママ友や夫、特に義理の母親との間で起きる様々なトラブルや不満、そしてその解決方法(義実家と縁を切るなどは果たして解決方法なのか?)が描かれています。実際の生活を元にしたと称されるエピソードが多く、そのためか非常に面白い。

 

マンガの中には、「これはいやだ、おかしいと思ったことは、言葉にして伝える。それで向こうもわかってくれれば、今後も気持ちよく付き合えます。これからも何かモヤモヤを抱えたときは、その都度ちゃんと言葉にして伝えようと思います」というメッセージが込められているものが多い気がします。言葉にしないで、「察してくれ(by察してちゃん)」で不満を溜め込む様子は、読んでいて、ぼくなんかイライラします。

 

あるいは、「自分で言えないことを誰かが言ってくれてスカッとした。でも、自分で言えないと自分は守れない」というテーマのものもあります。誰かが自分のトラブルを解決してくれる、それはあまり期待しない方がいいかな、と思ったりもします。

 

言いたいことを言えない。ママ友や義理母との関係が壊れるのを恐れて、自分が我慢してモヤモヤ、不満が溜まって爆発、あるいは誰かがズバッと言ってくれて問題解決!みたいなのが一つの典型とすると、別な類型もあります。

 

それは、逆に、自分の言いたいことが自分だけの都合で、周囲と合わないことになると、例えば「子供には絶対ゲーム禁止、甘いお菓子禁止、自然食」といったこだわりを持つと、周囲から孤立してしまうこともあるようです。その状況に自己反省の機会を見出すことが描かれています。

 

また、別のテーマとして「モラハラ夫」も取り上げられています。最初はモラハラであることに気づかず、だんだんとその本質を理解し、最終的には離婚するという話もありました。

 

これらのテーマは、定年後のぼくたちの生活にもよく起こる問題と解決法で、非常に共感できます。定年前までは、長年勤めた組織に所属し、それなりの地位やポジションを持っていたからこそ、周りは気を使ってくれていたかもしれません。

 

しかし、定年後は、そうした安心感から一変、まるでワイルドなジャングルに放り出されたような感覚になることもあるでしょう。そこで、ぼくたちは新たな人間関係を築き、時には自己主張をすることも必要となります。

 

ネットのママ向けマンガは、そうした新たなライフステージでのコミュニケーション術を学ぶ貴重な教材となっています。こうしたマンガを通じて、ぼくたち自身が新たな視点を得ることができるかもしれませんね。

 

©️朽木鴻次郎 プロダクション黄朽葉

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