〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

ヨーロッパの解放・ソビエト戦争映画の歴史的巨編

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ガルパンなのはカバーとDVDの印刷だけ。中の映画には出てきませんヽ(´▽`)/

ソビエトの戦争巨編「ヨーロッパの解放」、全5部作、観ましたよ。

 

「少女たちと戦車」というアニメのおかげで、デジタルリマスターのDVDがお手頃価格て発売されたのでね。おまけのタオル?は要らないのですが、一応キレイに/大事に取っておくことにします。

 

公開された1972年(だと思う)、8歳年上の兄が興奮して「この映画、すごいぞ、すごいぞ」と言うので、東銀座の東劇(当時)に連れてってもらいました。

 

コージロー、二階席の最前列で観ようぜ。迫力が違うぞ!

 

そう言われて二階席の最前列、手すりに足をかけて映画の開始を待ちました。兄はタバコを吸い始めます。(当時でも映画館は一応禁煙ですが、まー、皆さんよータバコ吸ったはりましたね。)

 

 

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大迫力ですよ。バカでかい70ミリフィルムの映画です。

旧・東劇の大スクリーンにいきなりどアップで迫り来るタイガー戦車ヽ(´▽`)/ 

 

1972年(だと思う)の公開当時、ぼくは小学生だった。

学校でもね、男の子たちは大興奮です。

 「観た?」

 「みたみた!!!」

 「スッゲーな!」

 「戦車が飛ぶもんな!」

 「飛ぶ飛ぶ!Tー34って早いな!プラモも高速ギアで作ってもいいよな」

 「シュビムワーゲンも出てたぞ!」

 パンフレット(当時はみんな買った)のスチル写真で当時タミヤが模型を出したばかりの水陸両用車(ドイツ軍)を誇らしげに指し示したのは、エビヤ旅館の息子のマサカズだったと思う。

 

 

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はい、読めません。

 「ヨーロッパの解放」の原題のロシア語です。意味は「解放」らしいです。

ソビエトが崩壊した21世紀の目から見ると、あれ?ですけど、ナチス・国家社会主義者の支配下にあった東ヨーロッパをナチスから「解放」したのは間違いない。

 

ま、歴史的・政治的なこと、あれが正しくない、史実はこうでなんて言うややこしい話はともかく。戦争アクション・戦車映画としてすごく面白い。

 

もっと出てるかと思ったよ、セルゲイにゾーニャ。小学校高学年の男の子にとっては、湖での行水シーンでのゾーニャがなんとも肉感的だったな。

 

公開時の邦題と原題(だと思う・英語で調べたからね、多分ロシア語原題も同じかな)を書いておきます。

 

ヨーロッパの解放  (Libration - 「解放」)

第一部 クルスク大戦車戦  (The Fire Bulge - 「炎のバルジ(突出部)」)

第二部 ドニエプル河渡河大作戦  (Breakthrouh - 「突貫」)

第三部 大包囲殲滅戦  (Direction of the Main Blow - 「総攻撃へ向え」)

第四部 オーデル河大突破作戦  (The Battle of Berlin - 「ベルリンの戦い」)

第五部 ベルリン大攻防戦  (The Last Assult - 「最後の突撃」)

 

日本公開は、第一部と第二部が同時上映で、途中休憩を挟むものの、長かった!ついで、第三部、第四部も公開時に観たと思うが、記憶はあいまい。(「大包囲殲滅作戦」という題名の記憶はあるけど「オーデル河」は全然覚えていない。「ドニエプル河」という名前この映画のおかげでよーく覚ているんだけど。)

そして最後の「ベルリン大攻防戦」は息を飲む迫力でした。

 

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全然忘れちゃってたエピソードもあれば、ゾーニャの行水のように忘れられないいくつか印象的なシーンもあって「ああ、これ観たな!」と今回改めて確認しました。

その中でも特に、この40年間ずっと気になって覚えているエピソードがあるんです。それは第五部でベルリンの国会議事堂を陥落させる一場面です。

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激戦の中、立てこもるナチス親衛隊の抵抗も激しく、やっとの事で議事堂の一階をソ連軍は占拠する。

・戦闘現場の通信兵:「議事堂の一階をようやく占領しました!」

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・前線部隊長:「よくやった!偉いぞ!」

     ↓↓↓↓

・前線司令官:「まだ一階か?! 計画が遅れてるぞ!」

     ↓↓↓↓

・ジューコフ最高司令官:「グズグスしてるんじゃない!早く議事堂を落とせ!」

 

若い頃、石油掘削現場にいるときかなりしょっちゅうこのくだりを思い出した。

「現場のことは本社に伝わらないんだな」って。

もちょっと歳をとってくると、「現場のことばかり分かりすぎて大局・戦略が引きずられてもいけないな」に変わってきたし、

今回、映画を観直して感じたのは...

 

ジューコフ、強いな! ヽ(´▽`)/ ナンヤソレ

 

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60年代後半から70年代にかけては、戦後20-35年ということで、当時戦争に駆り出された兵隊さんたちが、西でも東でも今50代のぼくぐらいのいいお年頃を迎えて、「ああ、あの時こんなだったな」と言うわけのテレビドラマ(コンバット・ラットパトロール、・ギャリソンゴリラ・決断)や映画(バルジ大作戦・トラトラトラ・独立愚連隊・戦略大作戦・兵隊やくざ)などががたくさん生まれた。

 

「おこぼれ」?と言うわけでもないのですが、その子供たちであるぼくたち世代(昭和30年代生まれ)は、プラモデルブームのおかげもあって、戦車・戦闘機・戦艦が大好きな男の子が多いのですよ。

 

 

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そして、今でも引きずってたりするヽ(´▽`)/ 

 

...今度、ドラゴンから新金型で1/35の日本陸軍九七式戦車「チハ」が出るらしいよ(ボソっ)。

 

© 朽木鴻次郎
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