〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

貯金しようよ

以前、20代後半の若い友人と話していたときのこと......

「ちゃんと貯金をしたほうがいいよ」

若い頃、自分では貯金なんて全然できていなかったくせに説教モードです。
あー、説教するのは気持ちがいい!
 
「ふふ! 同じことを職場の年配の人にも言われたんす」

あらま! この若い彼とは仕事上のつながりはありません。ジム友、筋トレ仲間なんです。職場の年配の人って...?

「80年代後半のバブルのときに30代ぐらいだった人で、当時はがんがんお金が入ってきたらしんすけど、みんな使っちゃったって。全然残らなかったって。バカですよね〜」
 
...その人、ぼくよりもちょっと年上だな。ぼく自身はバブルの時代は海外赴任で日本にはいなかったし、サラリーマンだったからバブルとは無縁だったけど。赴任の手当とか、お金を「使っちゃった」のはおんなじだ...

「言われたんすよ。『お金を持つとね、使ってしまいたくて、身体やおしりがむずむずしてくるんだよ』って。 え、オレ? ...貯金っすか? 当然っしょ? してますよ!」
 
お見それしました。申し訳ないです。説教しようとしたワタクシが間違ってました。

I've got paid and have some money to burn!
ゼニが入ったんだ! ぱーっといこうぜ!

そうなんです。買いたい物があるとき、本当にそれが欲しいのか、それとも、『お金を使いたい』だけなのか、よーく考えてみないといけない。

「お金を使う」というのは次のようなプロセスを実行することです。

1. 自分で決めて (決断)
2. 自分で払って (行動)
3. お金と引き換えに何かを得る (結果を獲得)

人間は、人から指図されるのではなくて、自分で物事を決めて生きていきたいという欲求があるそうですね。自分で決めたことを実行することに快感を覚える。そしその結果が「即時」に得られるとその快感はさらに増すそうです。上の1〜3のプロセスで人間は快感を覚えて、気持ちが良くなる。

「お金を使う」ということは、まさにその欲求を満足させるもの。ストレス解消のために、お金を使ってしまうんだそうです!

よく考えると、お金は「欲しいもの」「必要なもの」と交換する手段にすぎないのですが、実は「欲しいもの」とは関係なく、単にお金を使うこと自体が目的になって快感を覚える、と。

自分の例で言えば、ミラーレス一眼を買ったら、古いフィルムカメラが欲しくなって、カメラ・レンズが今だに増殖している。以前は時計だったし、その前はプラモデル......
 
...... 身体がむずむずしてるのか、オレ?

会社は定年退職して、もう60代半ばに差し掛かるんだ、人に説教している場合じゃねえぞ、オレ。わかってんのか?

 

©️朽木鴻次郎 プロダクション黄朽葉

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