〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

日本は勝てますか?

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2016年夏に放送されたドラマ「終戦スペシャルドラマ 百合子さんの絵本 〜 陸軍武官・小野寺夫婦の戦争」です。

 

www6.nhk.or.jp

 

香川照之と薬師丸ひろ子の主演だもの、つまらないわけがない。

再放送があったらぜひご覧ください。

日本がユナイテッド・ステーツに勝っちゃうSF戦史ではないから、ネタバレにはならないとは思いますが、お気になさる方は、ここから先は読まないでくださいね。ごめんなさい ´ω`)ノ


ドラマの中でね、ストックホルム駐在武官の香川閣下に夫人役の薬師丸ひろ子がマナジリを決してこう聞くんです。

「日本は勝てますか!?」

1941年昭和16年の初秋、真珠湾攻撃やマレー攻略開始を数ヶ月後の12月に控えています。つまり太平洋戦争直前のこと。

「勝てない...」と香川少将は答える。


なんて観念的な問答だろう。

「勝つ」って、なんだろう? 「勝てるか?」ってどういう状態になることなんだろう。

なんで質問が「勝つ」or「負ける」とデジタルな「1」or「0」の質問なんだ?

 

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「勝つ」ってことの定義は難しい。

はじめに計画した目的を達成すれば「勝った」って言えるのか?だんだん欲望が膨らんできて、どんなに成功しても、どんなに所有しても足らなくなっちゃうんじゃないかな。

 

こっちの計画が達成されたと思っても、相手が「負けた」って言わないと勝ちにならないのか?こっちは勝ったつもりでいても、相手が立ち上がって来たらまたやんなきゃなんない。

 

「勝つ」というのは「相手が負けた」と認めることなのか?

 

ところで、「相手」って誰のこと?

 

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「勝つこと」を定義するのは難しいし、「勝つこと」を目標にしていると、いつまでも飢えや渇きは無くならない気がする。それだけが理由というわけではないのですが、ぼくは「負けないこと」「生き延びること」を考えてきました。

冗談で言っているんではないんですよ。負けないでいるためには、結構地味な活動を反復し続ける必要があるんで、端から見ていてつまらないと思う。派手さもない。

負けないためには、地味な活動を反復・継続して行うんだよ。

そして負けないうちに試合を終えること。

それが勝利かもしれないな。

試合は必ず終わるんだし。

 

 

© 朽木鴻次郎
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