スコッチやバーボンは好きでたくさん飲んでいる。味の違いは、飲んだその場ならわかる。
「ほほう? 私はスカッチはもう40年以上嗜んでおりまして、数年に一度はアイラ島にも行っていますが、まだまだ味はわかりません。美味しいスカッチって一体なんなんでしょうかな? 深いものです。それが分かるとはあなたはすばらしい味覚・嗅覚をお持ちですな」
という様な発言をする人がいる。
ブルシット!
たまたまウィスキーを例にとったが、なんでもいいのだ。趣味や嗜好品の世界ならわかりやすいからお酒を例に出した。バーボンウィスキーでも、お菓子・スイーツでも、プラモデルでも、落語でも、映画でも、機械式時計でも、自動車でも、なんでも。
「あなたはxxxがお分かりなのか。私にはまだまだ分からない」
「ワタシも昔はxxxとはxxxなんだろうと分かったつもりでしたが、今は到底そんなお恥ずかしいことは申しません」
などとという人は何が言いたいのかというと:
「お前の分かっていることなどは程度が浅い。自分はもっともっと深いところが分かっているし、さらなる深淵を追求しているのだ。道を極める旅人なのだよ。おまえよりもずっとずっとレベルが高いのだ。つまり、おれの勝ちなのだ」
と言っている。
自慢しているのだ。
自分の方が上だとマウンティングしているのだ。
知ったかぶりをしているの。
大変下品なことと知るべきでしょうね。
こういう台詞を言われるとカチンとはくるが、ぼくもいい歳なのでほほう左様ですかとスルーすることもできる。どっちが上でも下でも、右でも左でも、どうでもいいからだ。そっちの土俵にはいかないよ。その手には乗らないんだ、お門ちがいさ。
でもちょっと腹に据えかねることもあるんで、こういう記事を書いているのだ。
うまいラーメンは食えばわかるのです。
もう一つ重要なポイントがある。
それは、「わかる」という感性の鋭さと、どうわかっているかを言葉で説明することができる「表現力」の豊かさとは別のものなのだ。
テーブルにグラスを二つ並べて飲み比べて見ればワインの味の違いはわかる。しかし、その違いを表現するのは僕には難しい。適切な語彙も持っていないからだ。だけどさ、「富良野の草原を吹き渡る春風」と「江戸川の土手にふと感じる秋の涼風」との違いであると言われてもなぁ......ヽ(´▽`)/コマル
セブンイレブンのフランクフルトの美味しさをどう表現したらいいのだろう?
少なくとも、ついてくるマスタードはかけすぎないほうがいいです。
金木犀の気品あふれる香りに満ちつつも口に含むと熟成した銀杏が歩道に潰れているかのような複雑な深みがまず舌に一瞬感じたのちおもむろに口腔全体に広がる黄金の炒飯...
って、お前は海原雄山か!
山西姑娘の作るチャーハンには罪はないのだ ヽ(´▽`)/
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