その兵隊さんはとても疲れていました。
戦争は長くとても長く続いたし、兵隊さんはだんだんだんだん歳をとって来たし、軍隊を追い出されたときに隊長さんはお金を少ししかくれませんでした。
うちに帰ろう...!
でも、兵隊さんが生まれてから軍隊に入るまで育った街には兵隊さんが知らない人たちが住んでいて知らない言葉を話していました。途方にくれた兵隊さんが森の中をトボトボと歩いていると、なんだか聞いたことのない音が聞こえます。
誰かがバイオリンを弾いていたのです。
ところが、兵隊さんは太鼓の合図で鉄砲にまっ黒い火薬と鈍く光るナマリ色の弾丸を詰めたことはあっても、鼓笛隊のマーチで行軍したことはあっても、ラッパの号令で腰に吊るしたサーベルを引き抜いて敵の陣地に突撃をしたことはあっても、こんなに優しく楽しく悲しく、神様だか天使だか悪魔だかの手に、心がぎゅうっと握りつぶされてしまうような「音楽」というものを、年をとってしまった今のいままで聴いたことがなかったので、一体全体なにごとだろう? とただただ不思議に、ただただ苦しく思うだけでした。
そのうちに...... 音楽に合わせて、兵隊さん身体が勝手に動き出しはじめました。手が足が、その不思議な音に合わせて動き出して止まらなくなってしまったのです。 そうして、聞こえる楽しい音を頼りにわれ知らずにその年老いた兵隊さんは森の中を進んでゆきました。
ふと気がつくと、こんこんと湧き出る泉のほとりに質素だけれどもきれいな小屋があって、そこには今まで兵隊さんが見たことも無いような...... ヽ(´▽`)/
身体の動きとリズムの感覚が、全然違うんですね。全然動けない、手と足がついていかない... でも、音楽のノリがいいし、ちょっと頑張ってみようかな、って思いました。できたら、かっこいいかな、と。コリオ(ふり)を覚えて、なんとかついていけるかな、ジャムもこなせるぜ!とか思っていましたが......
・リズム取り
・アイソレーション
ほぼそれだけ。
びっくりしました。こんなことやるの? でも、いままでちゃんとリズムが取れてたのか、ジャムを何年もやっていたのに、足さばきとか、手のうごきとか、ターンとか...要するに「ふり・コリオグラフィー」そんなことばかり気にしていて、アップもダウンもリズムすらもきちんと意識していなかったし、できていなかった。
「アイソレーション (isolation)」とは 体の一部、頭とか、胸とか、腰とか、その部分だけを独立して動かすことです。
ほら、よくインドのダンスで、首(アタマ)だけを横にひょこひょこ動かすのがあるじゃないですか。あれが、アタマのアイソレーションの一種です。
柔軟やって、リズム取りやって、アイソレーションやると、一時間のレッスンが終わっちゃうんですけど......
ダンスって、こうやって練習するんだ!
目からウロコでそう思いました。
もちろん、基本の技、「トゥエル」、「クラブ」、「ランニングマン」、「ロジャーラビット」「ハンドウェーブ」なんかも教えてもらいました。
身体を動かす神経でいままであまり使ってなかったけどダンスの時にはよく使うもの、使わなかったから弱く・細く(イメージ)なってしまった神経をつなげて、脳と筋肉を結ぶ神経をつなげて、「身体を動かす」ための訓練が、基本のリズム取りとアイソレーションなんですね。
ダンスの基本が、リズム取り、アイソレーションであること、これは遅ればせながらの大発見!
ところが、クラスは、二ヶ月で終わってしまいました。参加者申込者が少なくなっちゃったんですね...... 地味なクラスだったからな。
昔のヒップホップも楽しいし(懐かし...!)80年代。
新しいオールドスクール(?)もめちゃかっこいい
アダルトコンテンポラリーっていうんですか?最近のチャートのナンバーもいいですなぁ。
ダンスは楽しくなければつまらんちん。
そうこうしながら、ダンスを続けてきたんですが、ぼくが通っているジムでは、なんか大人の事情(笑)で、ボディジャムとシバムというプログラムが無くなって、「メガダンス」というものに変わってしまいました。2016年の夏のことです。
細かいことをいえばジャム・シバムとメガダンスとは違いはたくさんあるのですが、ダンスプログラムが継続するのは嬉しいことです。
ジャムとかシバムとか、メガダンスとか、あるいはズンバとかのスポーツジムのダンス系エキササイズは、ダンスの基本ステップをちょいちょいアレンジ(やりやすく?)して取り入れています。ダンス系とはいえ健康を目的とした「エキササイズ」だもんね。見せる・魅せるダンスとはやはり違う。
でもね、そのアレンジされた基本動作のオリジナルを探すのも楽しいです。いまは、ネットにも、いっぱい動画がアップされていますし。
音とリズムにあわせて身体を動かすのは楽しいんですヽ(´▽`)/
それに、キレッキレで身体動かして踊るより、ゆるくだけどちゃんとノッて踊る方がかっこよかったりする。