戦争ものばっかり観てるんでしょ? はい、そうです。
日清・日露の戦役を四国は松山出身の秋山好古・真之兄弟と、ホトトギス正岡子規を中心に描いた司馬遼太郎のベストセラー小説の映像化です。
2009-11年にかけて三年がかりで作成・放送されたンHKのスペシャル超大河ドラマ。「坂の上の雲」を毎晩一話づつ通しで観直しました。
感想:スッゲー金かかってそう。
第一・二・三回「少年の国」「青雲」「国家鳴動」
第1部の第一回「少年の国」と第二回「青雲」、それと第三回「国家鳴動」の前半くらいまで。これがなんとも面白い。主演のモックン(本木雅治)は、クランクインの当時42歳ですが (やんちゃな10代の、上京したときでも15歳、兵学校で18歳!) 若き秋山真之を見事に演じている。
・いい身体してるしね。
・大勢の同期とハダカでお風呂に飛び込むところとか故郷松山の水練場の立ち回りなどのサービスシーンもある!
この長いドラマのなかでも、1〜3回の「青春立志編」がなんとも面白い。
第三・四回「国家鳴動」「日清開戦」
司馬遼太郎の小説を歴史として読んではいけない、歴史を題材にした物語であってドラマなんだとわかってはいても、清朝や李鴻章、さらに乃木希典に対する拭いがたくマイナスイメージなのにはクビをひねる。
柄本明、「愚将」乃木の演技がうますぎだろ!仮にも各地で神社にお祀りされてんのよ。バチ当たるよ。
秋山騎兵隊と北洋陸軍との会戦シーンは大迫力ですよ。秋山騎兵隊長が白酒かっ食らって突撃するシーンは何ともはやすっばらしい。阿部寛、サスガですな!馬上の姿に男も惚れる!
後半の日露戦争に比べると、この前半の日清戦争の描写は案外とあっさりしている。もちょっと作り込んでよという感もあります。どーせ長いんだから。
第五・六・七回「留学生」「日英同盟」「子規、逝く」
この五-六回を観直して思ったのは....
アリアズナはとても美しい。
日本海軍広瀬武夫に心を寄せるロシア令嬢のアリアズナを演じた:
マリーナ・アンドレーエヴナ・アレクサーンドロヴァさん(Мари́на Андре́евна Алекса́ндрова)
1982年のお生まれだから、ドラマのときは26-7歳で、美しさの極みですね。
第七回には石原さとみが登場します。秋山真之との出会いが、「活人画(かつじんが)」という、まあ、動かない演劇っちゅうか、いまで言うコスプレですね。それで海軍将校のカッコをするの。23,4歳のころかな、かっわいいーです。
第八回以降:お待ちかね日露戦争
お待ちかね、日露戦争が始まります。改めてこうしてみると、実に6回分、9時間かけての日露戦争のドラマです。ンHKさん、力入ってます。役者も力入ってます。お金もかかってます。
第八回 「日露開戦」
第九回 「広瀬スズ、広瀬、死す」(ごめんなさいごめんなさい!)
第十回 「旅順総攻撃」
第十一回「二〇三高地」
第十二回「敵艦見ゆ」
第十三回「日本海開戦」
陸戦・海戦、どっちもすごい。みどころ満載、映像は大迫力。映画館で観たいね。
旅順要塞攻略、二〇三高地への突撃、日本兵がどんどん死傷して行く映像は、目を覆いますよ。観ていられない。観たけど。ロシアの大砲から飛んで来る空中で炸裂する榴弾の怖さ! 空中で爆発して、その破片が八方に飛んで来るんですよ、すっごいです。
こんなことしちゃいけないよね。
陸戦の後の、柄本明の乃木将軍はいいなぁ、この映像で救われる気がします。
・28センチ攻城砲群の斉射は、CGとわかっていても大迫力ヽ(´▽`)/
そしてついにバロチック艦隊の登場。ロジェットウィンスキー、悪役ヅラです。最盛期のキラーカーンそのもの。でね....
・日本海海戦の大迫力、息を飲みます。連合艦隊の大回頭、ほんと、映画館のスクリーンで観たいなあ!
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このスペシャルドラマ、全十三回でトータル20時間。
もっくん、本木雅治がなんともうまい。少年・青年期のきかん気溢れる男が、長じて海軍参謀になり表面は落ち着くのだが、本質は松山のガキ大将のまま、そんな秋山を素晴らしく演じていました。
バロチック艦隊を待てないイライラ、敵艦見ゆとの警報に接したときの一呼吸を置いての甲板での小躍り、最高です!
司馬遼太郎は日清戦争を明治維新革命輸出戦争、日露戦争を祖国防衛戦争と位置付けている。その解釈への評価は別として、第二次欧州大戦東部戦線を同じく「大祖国戦争(Великая Отечественная война)」と呼ぶソビエトロシアの「ヨーロッパの解放」(全部で8時間?)と観比べるのもいいかもしれないです。
© 朽木鴻次郎
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