〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

生活におけるデフレーション

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以前、40代の半ばからスポーツジムにすごくはまっていた。

そのころは週5で通っていたのです。体力があったんだね。休日の特別プログラムがあるときなどは、ジムに一日中いて3本も4本もプログラムに参加した。

今では、そんな体力はなくて、多くて週三、一日一本のレッスン参加で十分です。細く長くってわけですね。

なにが言いたいのかというと......


 

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体力や気力・集中力はだんだん衰える。

そういうこと。


 

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食欲についても同じ。

40代半ばの頃は、ポーターハウスTボーンステーキなら2枚で満足してたものが、50代半ばになったらTボーン2枚では多すぎる。てか、そもそもTボーンを頼もうとする気が起きないですね。

赤身のステーキのハーフポンドで十分かなと。

 

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朝ごはんなら、さらに軽めになる。

ソーセージにベイクドポテト、トースト2枚でもう十分です。

 

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自分が必要なもの、消化できる量はだんだんと減っている。そして、それを超えるものは欲しくなくなる。欲望そのものが減って行くんじゃないかな。そういうものなのだろうな。だから、歳をとれば、活動の量ももっと落ちて行く。ものごとができなくなる。そもそも何かをやろうとする気力が衰えて行くんだろう。

 

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夏休みの期間って、いくつかのテレビ局で「懐メロ」特集みたいな番組をやっている。ぼくと同年代の50代のアイドル歌手、いまでもおきれいな人が多いんです。しかし、10代・20代のころの映像がバックに流れていてその若々しいはちきれんばかりの姿と比べると、やっぱりお年をめしてるなっておもう。

 

ぼくよりさらに上の世代、1950年代・60年代の人気歌手や俳優さんたち。申し訳ないが、もう「老人」です。かっこいいけど老いは隠せない。

 

今年、2017年の前半、話題になった石原元東京都知事。戦後の若者を荒々しく描いて「生きのいいやつは戦争で皆死んだ。残っているのはろくでなしだ」とさっそうに文壇に登場したお人ですよ。今、80歳を超えてのお姿をテレビの映像で拝見したけど老人だ。あたりまだけど。

 

え? 70歳になるってこんなに老けるの? 80歳って、こんなに弱々しくなっちゃうの?

びっくりすることではないのですが、やっぱり驚くんです。

そして思う。自分もこうして歳をとって行くのだろう......と。

そういう現実を改めて認識する。

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生きている力、ものを食べる力、動く力、これが老いとともに衰えて行くことは当たり前のことなのだ。当然、人生を楽しむ力、感動する心もまた衰えて行くんだろう。

20歳のぼくが55歳のぼくを想像できなかったように、いま56歳のぼくは75歳のぼくがどう感じてどう生きているかなんて、いくらアタマで考えても本当のところは分からないんだよ。

 

  

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