〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

「避けられた戦争」油井大三郎先生、ちくま新書(Kindle版)2020年6月9日

f:id:tavigayninh:20200906090515j:plain

油井先生の「避けられた戦争」ちくま新書をようやく読了。 そうなんだよ、世界の動きの中での日本の動き、世界の状況と日本の状況、これがわからないと今日への教訓へつながらない。 政党や人命、地図で事件の起こった場所などを確認しながら読んだので読み終わるまでずいぶんと時間がかかりました。 大変勉強になりました。

 

f:id:tavigayninh:20200906090544j:plain

 
ぼくなりに要約すると
・第一次大戦後の厭戦感と軍縮志向は世界で共有されたものの(含日本)
・領土拡大植民地主義の旧式外交と
・門戸開放自由商業主義の新式外交
・この新旧外交方針が時間的にも国別にも地域的にもモザイクのように混在したのは英米日でも同じことだったが
・他国(特に米国)の旧式外交(排日移民政策)が顕在化する中
・満蒙利権への執着と二重外交(政府と軍部)体制だったした日本では
・暴力を背景とした政治圧力も厳に存在する民主主義の未成熟さも相乗して
・英国のような中国利権の放棄(大陸内部)と確保(香港)政策を実現できず
・条約改正や国権回復を願う中国との確執が深まり*1
・それは張作霖爆殺と満州事変(さらには熱河作戦、上海事変)により修復回復不能になった。
 
特に注目したのは、渋沢栄一を始め一定数の政界経済界の人間が、満蒙や既得権益に固執せずとも、条約改正や門戸開放を行ったとしても、日本経済に対する不利益よりも、むしろ経済的利益が大きいと喝破していたことです。
 
河本大作だって石原莞爾だって、山本五十六だって、それぞれの思いや信念もあったことではあろうとはおもうのではあるが、くやしくてしかたがないです。
 
もしも新式外交が現実になって、日本軍(関東軍)が縮小撤退したとして、そのあと、国民政府軍や中国軍閥がのこった東北部に、1930年代のスターリンがどう向かっていっったのか? 国府軍と対立していた中国共産党軍はどう動いたか?どんな可能性が読み取れたか?その可能性はこの本からは読み取れませんでした。
 
油井先生のおっしゃるように、近現代史の日本史と世界史、各国史の研究の統合が、今後さらに進むことを期待します。
 

©️ 朽木鴻次郎
~~~~~~~~~~~~~
 

HPはこちらです。

kuchiki-office.hatenablog.com

~~~~~~~~~~~~~ 

*1:明治維新後条約改正にはあれだけ苦労したのに!

生産性が高まるのか? ではなくて

f:id:tavigayninh:20200830073322j:plain

 

リモートワークは効率が上がるのか? 生産性がたかまるのか?
それはわからないけれど。

効率が悪い、生産性が下がった、そう感じるのだったら、効率を良くし、生産性をあげる。現状をそう変えていかなくてはいけないんだろうな。

ただし、これだけ暑いと、生産性は下がる。それはたしかですね。

 

www.youtube.com

 

©️ 朽木鴻次郎
~~~~~~~~~~~~~
 

HPはこちらです。

kuchiki-office.hatenablog.com

~~~~~~~~~~~~~ 

ハラスメントに「なる?」「ならない?」

f:id:tavigayninh:20200811082706j:plain

 

ぼく自身も「こういう言動はハラスメントになってしまいます」とさんざ言っている。研修のときにはそう言わざるを得ないのかもしれないが、最近ちょっと疑問に思っている。

「ハラスメントであるかどうか?」よりもむしろ本質的に求められるものは「止めるべき・止めてもらうべき」かどうか?なのだと思うのです。

 

©️ 朽木鴻次郎
~~~~~~~~~~~~~
 

HPはこちらです。

kuchiki-office.hatenablog.com

~~~~~~~~~~~~~