〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

街のかたすみのクリスマス

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なんだ?もうマライアがプレゼントなんていらねえって嘘くせえ歌を歌う季節か。

てこたあ俺も事務所を開いて一年が経ったってこったなあ。チンケなヤマばっかりで思い出すのもバカくせえ。...え、どんな事件があったか知りてえって?よせよ、てめえの酒のさかなになるような...

そうか? わりいなそいつぁ。安い酒でもおごってもらっちゃあ口も軽くなる。
マスター! ちょっと、丸岩さん...!
この人のおごりだってさ、バーボンをダブルで。いつも通り水を少しだけ足してくれ。

 

そうだよ、持ち込まれる依頼といえば、大抵が女が逃げた、男がはたいた、貸したゼニがどうの、そんなクズ同士のお決まりばっかだが、ついこないだの話だ。ちょっと見じゃあ美人なんだが、目にケンのある、まだ三十を超えたばかりだろう、身なりもケツもいい女が、その見た目通りの冷てえ厄介ごとを持ち込んできた、ってわけさ。

 

それというのもな...

 

 

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あわただしくなってくるクリスマスから年末年始。

テレビでは歌の特別番組が放送されたり、街にはイルミネーションやライトアップ。

なんかうきうきしてくる。あまいクリスマスソング、ぼくは嫌いじゃないですよヽ(´▽`)/ 

 

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人事の嫌がらせ・会社/職場のリアル

先日、ある企業ドラマをテレビで見ていたら、その会社の人事部がある営業部長を辞めさせたいので、営業とは全然関係ない子会社に出向させ、本人のやる気を削ぎ辞めさせると言うシチュエーションが出てきた*1

 

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企業法務部の交流会でよく似た話を以前聞いた記憶がある。ちょっとフェイクも交え(記憶が曖昧なところもあるし)、ある会社の法務部長のその話をまとめてみると------

 

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「これはリーガル的にOKかどうか、YESかNOかで答えてくれ」

出勤してすぐ、朝一の電話を取ってみると人事部長がこう言ってきた。

 

どうも電話で簡単に答えられることじゃないみたいだし、下手する法務部にもとばっちりが来るから「ちょっと待ってください。いますぐそちらに行きます。会議室の準備をしていて下さい」と言って電話を切った*2

 

20代の部下一人を同行させ*3、「何も言うな、メモもとるな」と厳命して*4二人で人事に赴いたんだけど、ヒドイ話が待っていた。

 

・ある部門の課長A-さん(男性40代後半)が上司の部長(50代半ば)と仕事上の意見が違ってもめている。部長もA-さんもちょっとややこしい人ではあるようだ。

・会社(というか人事)はその課長に目をつけていたこともあり、A-さんには会社を辞めてもらいたい。しかし退職勧告をする理由もないし、退職勧告をしたら揉めるだろう。

・そこで考えた人事の作戦は次の通り。

第一段階) その部門とは全く関係のない部門にA-さんを異動させる。職位は課長のママ。

第二段階) 異動から二週間後、新しい部署で彼の部下となる課長代理のB-さん(40代前半、A-さんより7歳年下)を同格の課長に昇進させる。A-さんとB-さんの二人課長体制をとる。問題の課長A-さんのモチベーションは下がるだろう。これで辞めてくれればいいのだが。

第三段階)それでも辞めない場合、さらに三週間ほど後、新しく課長に昇進したB-さんをA-さんの上司ととなる「次長」に昇進させる。いくらA-さんでも会社を辞めるだろう、と。異動先の部門では、優秀なB-さんを元々早期に昇進させたかったらしい。

 

「これが法的にOKかどうか、YESかNOかで答えてくれ」」

 

この人事部長の本心は、法務部に保険をかける*5、つまり後でもめた時に「法務がYESと言いました」と言いたいのだろう。NOと言えば言ったでそれなりの責任もまた法務部押し付けるつもりなのだな、とすぐにわかった。

 

そもそも、そんなにYES/NOを即答できる問題ではないし、法的な問題云々よりも社会通念上倫理的な問題もあるだろうから、私としての即答は難しい。必要とあれば外部の弁護士に相談する。ただし時間と費用がかかる(ちょっとウソ)と、答えたところ...

 

「もういい! 外部弁護士に聞くなら、人事部が懇意の事務所に問い合わせる!*6

 

と、言い放たれた*7

 

「わかりました。本件、法務としての関与は必要ないということですね。しかし、あまり陰湿な嫌がらせで自主退社に持ち込もうとするのは如何なものかと...」

 

会議室のドアを開け退出する直前に、こう言い置いて、サッと立ち去った*8

 

会議後、私は同行させた部下を自室によび「1-人事部長の発言(作戦?)内容、2-人事部長が法務を介さず知り合いの弁護士に直接相談すると決めたこと、3-法務部長(私)は『社会通念上倫理的な問題がある』とコメントしたこと」この3点だけ簡潔にメモして*9、メールで私(法務部長)、ccで君の上司の法務課長*10を入れて送信しろと指示を出した。記録に残すためです。

 

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その後どうなったんですか?

 

その後? やっぱり弁護士さんだって責任取りたくないじゃないですか。あんまりえげつない仕打ちだもの。A-さんの異動は結局はなかったみたいですよ。

 

よかったねヽ(´▽`)/ 

 

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*1:テレビ東京系「コンプライアンス・ゲーム」唐沢寿明、広瀬アリス主演、2018年。

*2:ややこしそうな話のとき、電話でさらりと(聞かなくていいことは聞かないで)済ませるか、面談した方がいいのかケースバイケースの直感判断が必要ですね。

*3:後々の証拠ともなるから、同行者をつける。

*4:いらないことまでメモされても困る。この辺はうまいこと部下をしつけておくこと。もちろん「いらないことまでメモされても困る」などと説明してはいけないのよ。

*5:組織に長く居れば、この手の知恵は大抵備わってくる。こっちが一枚上手を行くためにどうするかを考えるのが大事。

*6:本来、外部の法律専門家-弁護士、弁理士や司法書士-との窓口として一括で法務部が対応するのだが、この人事部長は「我が強い」タイプの人だったようですね。

*7:相手がキレたらそれはチャンス。

*8:自分の言いたいことを言う。それは相手に伝えるためではない。「これこれと発言した」と記録に留めるためです。立ち去り間際に言えば、相手のコメントも封じることができる。

*9:メモは書き残したいことを書く。

*10:情報をどこまで共有するかは、ケースバイケースで判断です。

定年を考える〜上司に表明するタイミング

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今年、2018年の2月に14年勤めた京都の任天堂を57歳と4ヶ月で辞めました。

ぼくのように定年の60歳を少し手前で早期退職するか、60歳まで勤めて辞めるか、あるいはその後の雇用延長を選ぶのか、いつかどこかのタイミングで会社や上司に表明しなければならない。

 

いつそれを言うかって、結構悩ましかったりする。

 

退職金から控除される所得税が分からないのよ。退職金とかは就業規則を読めば計算できるんですが、そこから所得税がどれだけ引かれるか、ざっくりとしか分からない。まずはそれを会社の担当部門に聞いた。

その後、2週間ぐらいしてから上司役員に「まだ決めてないけど辞めるかも。人事ともちょっと相談した」ってまずは話しました。こういう話は、ウワサとか、会社の担当部門が上司役員に耳打ちするとか、「ヨコから」の情報が入る前に直接言っておいたほうがいいと思ったからです。

 

これが退職の10ヶ月ぐらい前のこと。ちょっと早かったかなとも、ちょうどいいタイミングかもとも思う。でも決して遅いタイミングではなかったな。

 

(続きます。カテゴリーは「定年-2.0.1」)

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