朽木寒三(くちき・かんぞう、口きかんぞ!、だな、わはは!)の「馬賊物語」復刻版です。
アマゾンで単行本を注文したあと、徳間文庫版もあったんで、あちゃ、文庫のが安いのに!失敗した!と思いましたが、単行本の方が写真がたくさんあるので、結局良かったです。
横山光輝が連載していた「狼の星座」は、少年マガジンを買っていたのでリアルタイムで読んでました。これはヤフオクで買いました。
物語はですね、戦前・満州馬賊の「ターランパ(大撹把)=大頭目」となった小日向白朗(尚旭東)の半生。
今更ながら、帝国陸軍が結局は敗北するのもやんぬるかななであります。日本人の強さと弱さが如実に描かれている。
で、物語の本筋はともかくとして。
拳銃についての馬賊の評価・名称が面白い。
1. コルト45・コルトガバメント・M1911
コルト45。ご承知の通り、スピレーンのマイク・ハマーが振り回すでっかい拳銃なのですが...... 馬賊にかかるとですね、「コルト45は、”馬牌槍(マーパイチャン)”と呼ばれ、これも馬賊間に大きな人気があった。というのは、型が小さくて、隠し持つのに具合が良いばかりでなく、小型の割には着弾もながく......」
コルトガバメントが「小型」ですよ!
ま、そりゃ「コルト(子馬)」っていうブランドだけどさ...
2. モーゼル軍用拳銃・モーゼルc96
で、やっぱり馬賊といえば、モーゼルです。軍用モーゼルは「毛槍(マオチャン)」、これは常識としても、銃身のながいスペシャル版は「大前頭児(ターチェントウル)」または「大前門(ターチェンメン)」と呼ばれて、馬賊の憧れだったそうです。
(注:これは9mmパラベラム弾仕様。グリップに大きな「9」の字。ふつーはモーゼル7.63mmを使う。)
さらに、新型で銃身がみじかいものは、「蓮花咀児(レンホワチュイル)」と呼ばれて流行したんですと!
日本軍の九四式(写真)なんて鼻にも引っ掛けられなかったろうな。
馬賊ですよ、馬賊、いや、ひとつ利口になりました!
俺も行くから君も行け ヽ(´▽`)/
先日ご紹介した「満州国演義」は満州国の成立と崩壊を壮大なスケールで描いた大作ですが、それとは違う意味でこの「馬賊戦記」はすごく面白いです。
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