〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

「カスタマイズ大好き」の弊害 〜 スマホのキャリア仕様の不自由さ 〜

    

最近、マレーシアで使う現地用のスマホを買い替えようと思い、ネットで「Samsung Galaxy S21(SIMフリー)」を購入しました。
スペックは申し分なく、HDMI出力でホテルのSamsung製テレビにNetflixやPrime Videoを映すという目的にもぴったりな1台、のはずでした。

届いた端末の型番は「SC-51B」。
これはドコモが販売していた専用モデルで、SIMロック解除がなされていなければ、他社のSIMカードでは通信ができません。実際、楽天回線のプリペイドSIMを挿してみたところ、「ネットワークロック解除コードを入力してください」という表示が出てしまいました。

Amazonの商品ページには「SIMフリー」と書いてありましたが、実際には解除されていなかったようです。こうした食い違いは、販売者の問題というよりも、日本のガラパゴス的な携帯販売事情の反映なのかもしれません。


■ そもそも、同じGalaxyなのに「ドコモ版」「au版」?

この件を調べる中でわかったのは、日本で販売されているGalaxyにはキャリア専用の型番が存在するということです。

  • ドコモ → SC-51B(S21)/SC-51C(S22)

  • au → SCG09(S21)/SCG13(S22)

機種そのものの性能は同じはずなのに、キャリアによって型番も、初期アプリも、APN設定も異なります。場合によってはテザリングが制限されていたり、OSアップデートのタイミングが遅れることもあるようです。

世界中で展開されているスマートフォンなのに、なぜ日本だけ「キャリア専用仕様」に作り替えられているのか?そしてなぜ、そうした仕様変更がユーザーにとって“わかりづらく、使いにくい”ものになってしまっているのでしょうか?


■ 過剰なカスタマイズは、生産性を下げる

このことは、以前わたしが書いた記事「過剰なカスタマイズが生産性を阻害する?」でも触れた、日本企業の“細かすぎる対応”の延長線上にあると感じました。*1

  • 自社の事情に合わせてソフトウェアを改造しすぎる

  • 本来シンプルで済む操作に、独自ルールが増える

  • 他者との互換性が失われ、引き継ぎも面倒になる

こうした傾向は業務システムだけでなく、スマホ端末のような日常の道具にまで入り込んでしまっているのです。

結果として、ユーザーは「SIMフリーだと思って買ったのに使えない」「HDMIケーブルをつなげたのに映らない」といった不便に直面します。


■標準仕様を尊重する考え

もちろん、日本市場独自の事情や通信環境の違いがあることは理解しています。そしてこのような「カスタマイズ」もまたユーザーの囲い込みを目論んだものなのでしょう。

しかし、世界ではすでに「メーカー直販のSIMフリーモデル」が当たり前で、OSアップデートもキャリアを介さずに届けられるのが常識です。

そろそろ標準仕様を尊重する考えにシフトしてもいいのではないでしょうか?

ユーザーの自由度や利便性を損なうような“カスタマイズ”よりも、標準仕様を信頼し、活かす設計思想のほうが、結果として製品の価値を高めてくれるとぼくは思います。


■ 最後に

今回のGalaxy S21はネット経由で返品しました。
次は秋葉原で、SIMロック解除済み・ネットワーク利用制限◯のau版(SCG09)を探す予定です。

 

©️朽木鴻次郎 プロダクション黄朽葉
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