
先日、クアラルンプールからマレー鉄道に乗ってイポーまで日帰り旅をしてきました。マレー鉄道の長距離特急は快適と聞いていたので、事前にしっかり指定席を予約して、あとは乗るだけ――のはずが。
当日、チケットに記載された「A号車・13番列A」の席に向かうと、どう見てもその番号の列がないんです。そもそも列が「10」から始まっている。何度見てもない。思わず「???」となりながら車内をウロウロ。近くにいた車掌さん(マレー系の若い女性の方でした)に尋ねると、慣れた様子でタブレットを確認し、「あぁ、今日は車両が差し替えられてるのね」と、さらっと手書きで「D号車・11番列B」と書き直してくれました。
どうやら、当日僕が乗るはずだった車両が変更になり、もともとの座席番号が存在しない編成になっていたようです。こういう場面、焦らず淡々と対処できると、ちょっと旅慣れた気分になりますね。

さらに「おまけ」がもう一つ。
一通りイポーを観光しての帰りの列車のことです。
進行方向に向かって座るはずだったのが、乗ってみると…あれ?背中が進行方向。しかも僕だけじゃなくて、周囲の乗客も全員が後ろ向きに。どうやら編成の向きごと逆になっていたようで、これも現地では“よくあること”らしいです。
とはいえ、2時間半の移動中、30分ほどでさすがに後ろ向きはつらくなって、途中で空いている前向きの席にこっそり移動。ちょっとした工夫で快適さは自分で作るしかないですね。
こんな風に、予想外の出来事もどこか楽しめるようになると、海外鉄道旅の味わいがぐっと深まる気がします。
©️朽木鴻次郎 プロダクション黄朽葉
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