人や組織を動かし運用するという点で、ビジネス(経営)と軍事は共通するところがある。だから、ビジネスでは軍事用語が多く使われているのだろう。
もう一つ。第二次大戦後復員してきた大量の軍人が、経営に携わったし、経営評論家になったりした。そんなことも関連しているんだろう。
ぼくの記憶違いでなければ、任天堂の社長だった岩田さんは「城野宏」*1という経済評論家の著作を「全部読みました」とおっしゃっていた。もちろん城野氏の著作だけでなく、広くビジネス書を読む大変な勉強家でありました。
戦略と戦術、目的と目標、それぞれ区別しないといけませんね。
「乾いたタオル」という比喩を劇作家の鴻上尚史さんは使っている。乾いたタオルは「水」を吸収することができるが、びしょ濡れのタオルは、もはや吸い取ることはできない。乾いたタオル状態で、知識の吸収ができるかどうか、既存の知識でびしょ濡れのタオル状態だと、新しいことは学べない、そういうことの比喩だ。
岩田さんは「若い頃は読書全般、特に小説などは面白いと思ったこともないし、無駄だと思っていた」という趣旨のことを隠さず公言してらっしゃった。ぼくが知っている読書家の岩田さんからは想像できない*2。いわば岩田さんは本を読んで何かを得る、学ぶということについて「乾いたタオル」だったのかもしれない。だから後年の多読や経験から多くを得て、独自の組織経営哲学をお持ちになったんだろうと思う。
でね、ぼくが岩田さんや任天堂から学んだことはとても多いのです。
© 朽木鴻次郎
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