以前ある会社に務めていたときのこと。
箱根にある企業合宿所に、幹部20名程度が集められて、今後の経営方針とか、マネジャーの心得とか、いろんなテーマを二泊三日で話し合った。連休になってる週末だったかな。
夜はインフォーマルなパーティになるんだけど、ぼくが社長と話していると(雑談です)、ある事業部長が、ワイングラス片手に会話の輪に加わってきた。よくあるパーティの一場面、ではありますね。
そこで、その事業部長が社長に言うには:
先週の社長訓示ですが、今回の合宿に備えて、実は録音しておいたんです。社長のおっしゃる経営の精神がどうもよく分からないことがあるんで、通勤の車の中とか、何度も、何度も聴き返したんですよ。そしたら、13回目ぐらいだったかな、『あ、社長はこう言うことをおっしゃりたかったのか!』とようやくわかったんです。
「すっごいゴマのすりかたがあるもんだな!」って、ぼくはびっくりして社長の横顔を見たら、満更でもない顔で笑ってた。
ゴマスリなんて通じない厳しい人だったし、少なくともぼくはそう思ってたんですが、とろけるような笑顔で、事業部長の「ヨイショ」を聞いていました
そこで学んだこと:
どんな人にも巧妙なゴマスリは効くのである。
© 朽木鴻次郎
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