司馬史観という言葉がある。
司馬遼太郎による歴史観、History according to Shiba.
忍者小説からはじまった小説家によるチャンバラ小説なんだから、そこまで言わなくてもいいとは思うが、後年の「坂の上の雲」とか「翔ぶが如く」などでは、史実と想像・創造が入り混じりすぎて、これは「小説である」とばかりにかはぐらかすにはいかないだろうね。
司馬遼太郎の「燃えよ剣」と「新選組血風録」を読んだ。
1960年代の始めの小説で、女の話とか、敵役が出てくるところとか、もっともらしいチャンバラの描写とかがあって、丁度いい塩梅の剣豪小説です。歴史小説として読んではいけないのだよ。
歴史の細かい話はしらないけど、新選組は内部の権力闘争がちなまぐさすぎて、司馬遼太郎ほど「盛ら」ないと読んでられないってこともある。
それでも、土方歳三を「発見」して掘り下げたのは、司馬遼太郎なんですと。「燃えよ剣」以前に土方歳三を主人公とした著名な小説やドラマは見当たらないらしい。
「燃えよ剣」と「新選組血風録」を初めて読んだのは、小学校の5年か6年の頃。少年マガジンにみなもと太郎が「冗談 新選組」を連載していて、新選組に興味を持ったのよ。
その後、この二冊はセットで時々読み返して、最後に読んだのは京都に来たばかりの頃、NHKが大河ドラマで「新選組!」を放送していた時分だから、十年以上前か。
司馬遼太郎の人間描写、描写と言っていいのかどうか、歴史上の人物に彩色をほどこして個性を増幅させたり、さらには、もしかしたら本人とは異なるかもしれない別のキャラクターを創造して、そうして小説にしてしまう力はすごいね。
10年くらい前にNHKのBSドラマで「新選組血風録」をやっていた。永井大が歳三役。これはよかったなあ。政治や歴史とかよりも、殺陣・チャンバラに力点を置いていてよかった。死んだ親父に観せたかったね。
ぼくは美しいものが好きです。京都は美しい。
最近キンドル買いまして、手に入りにくかった古い漫画とか読んでるんです。望月三起也の「俺の新撰組」、面白いね!
...秘密探偵JAも買うてもうた...(全巻)
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