先日テレビで脳科学者の中野信子さんという方がこう言っていた。(2017.7.13・nhkBS 英雄たちの選択・秀吉と家康の回です。下のまとめはぼくのメモに基づいているので、中野先生のご発言そのままではないかもです。)
一般論として運のいい人とは:
・他人から助けてもらえる人
・チャンスを見つける力に富んだ人
日本ではさらに:
・将来の苦境に備えておいて生き延びることができる人
・他人から足を引っ張られない人
・他人を出し抜いて足を引っ張る事をしない人
・(日本は災害が多いので)この人は決して他人を出し抜かないんだなと信用してもらえる人
そういう人が運のいい人になるんだという趣旨のことをおっしゃっていてちょっと感心しました。
やってくるチャンスをちゃんとキャッチできる人がのし上がって行くんだろうな。それは十分理解できます。
でもそういう人を「運のいい人」「運がいい」って形容するのはちょっと違うような気もしました。あらためてこうしてメモを文章にしてみると、「運がいい」ってそういうこと?って思う部分があるのです。
中野先生がおっしゃるのは「運のいい人」ではなくて「能力のある人・できる人」の人としての資質のことなんでしょうな。チャンスを逃さない人。
というのもね...
宝くじに当たるのは運がいいことなんだろうけど、宝くじに当たるために何か特別な「人としての資質」があるわけではない。強いて言えば「宝くじを買う」タイプの人かもしれないが、人からもらった宝くじがたまたま大当たりの人もいるからな〜。
一方で、並外れた能力があって人柄も優れていらっしゃった方が、あるいは、美しくて優しい方が、病気や事故で若くしてあっけなくなくなってしまう。
軍隊は「運」隊だと言われたそうです。先の大戦でもどこに行かされるかでその人の運命は大きく変わってしまった。
大正十年生まれの母方の伯父は、ものすごく成績優秀で府立三中を四修で高等学校・高等商業に行けたし、行きたかったらしいんだけど、結核で片肺をとって進学を諦めざるを得なかった。ただしそのおかげで兵隊に取られずに生き延びました。同年代の男性は戦争でかなり死んじゃったらしいんですけどね。東京大空襲も生き延びて終戦をむかえ、四十五歳を過ぎてから結婚してお子様ももうけ、六十過ぎまで生きていました。
結核で進学を諦めさせられたとき、伯父はちょっと荒れたらしいです。その話を聞いたときは信じられませんでした。はなうたを歌うのが好きな、ちょっとひょうきんでいつも陽気な人でしたから。
伯父は自分のことを運がいいと思ってたんだろうか?
こればっかりはわからないね。
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