西方のダンケルクでドーバー海峡に逃がしたイギリス軍をバトルオブブリテンでも追い詰めることができず、ちょび髭ヤローはバルバロッサと称して東に向かったら、出てきた鬼戦車にびっくりして進めなくなって、大好きなタイガーを今度ははるか南チェニジアに揚陸したんだが、結局はすり潰された。
人のことばっか言っちゃいらんないよな。負け続けて逃げる蒋介石にとどめも刺していない状況で、やけのやんぱちの博打が好きな提督に、大艦隊とゼロ戦を預けたところ、よせばいいのにハワイを「だまし討ち」にする愚挙に出た。軍艦・沈没・ハワイ。
<閉塞状況に陥ると、それを打破しようとして何か大きな別行動に出てしまいたくなる。しかし、それはものすごく危険なことなのである>
一方、小心者で猜疑心のカタマリの独裁者ヨセフは、スターリングラードを文字通り決死で支え、なんとかベルリンを陥落させてから取って返してようやく日露戦争のツケを取り返した。
その東洋版とも言える湖南の毛は、東洋鬼が勝手に別の戦争で負けてくれるまで洞窟の中で李香蘭の映画を観ながらジッと身を潜め、岡村が謹んで残してくれた日立製の戦車を使って大陸の支配に勝利して帝位に着く。
春秋戦国の古来より言われていることだが、二正面作戦は避けなくてはいけないのだよ。
閉塞状況がとっても苦しくてもね。
生活を支える柱とは、「お金」「仕事」「心身の健康」「家族、恋人や友人」、この四つである。人によってはちょっと違うかもしれないが、そんなことは大した問題ではない。
どれか一本が外れただけなら、生活は不安定ながらも支えられる。
だが、二つの柱が外れたら、生活は一挙に瓦解する。
一挙にだ。
閉塞状況にやけっぱちになったり、大成功に舞い上がったり、「俺は特別だし、うまく立ち回ってる!ちょろいもんだ」と舐めてかかったりすると、自分を支えている柱がどういう状態なのか、それがわからなくなる。
それどころか、柱がぐらついているのを分かっていながら、その事実を無視したりする。
状況が悪い時には、じっと耐えて待つ。動いてはいけないときがある。さもないと傷口がパックリと開いてしまうよ。
......えとですね、何がゆいたいかといえばさ......
わかるでしょ? まあ、そーゆーことです。