〜 ハリセンボンのおびれ 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

担々麺にまつわる思い出

1984年中国への初出張(初海外)で広州に滞在した。宿泊したのは流花路にある当時できたばかりのチャイナ・ホテル(china hotel 中国大酒店)。その一階にあった「フードストリート」と呼ばれる中華料理店で初めて「担々麺」を食べた。もちろんスープはない。日本のお茶碗ほどの小さなお椀に盛られた「汁なし坦々」である。

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実はその初出張/初海外の前にも、一期上の食通な先輩に新橋の台湾屋台みたいなお店に連れて行かれたことがある。だから「台湾わんこそば」って言われていた小さなお椀に盛られて味付けのひき肉と刻みネギがかかった、いわゆる「台南坦仔麺」みたいなのは食べたことはあった。

 

しかしですね、チャイナ・ホテルで食べた汁なしの担々麺の「麻辣(まーらー)」にはびっくりしましたよ。日本でも麻婆豆腐は丸美屋のものを食べたことがあったけど、全然違った。麻辣味の担々麺は舌が痺れるからさでした。もちろん「台南坦仔麺」とも全然違う。

 

フードストリートのウエイトレスさんたち(当時は「小姐(しゅうちぇ)」と呼んでも怒られなかったよ*1)、日本人が珍しいのか、食べ方がおかしいのか、ぼくたちを見て、くすくす、くすくす笑ってた。着ている真っ赤な本場のチャイナドレスもすごく素敵でした。かわいかったな...
当時のぼくと同じくらいの歳、せいぜい20代の半ばだったから、今はもうお孫ちゃんが何人かはいるお年頃なんだろう。ん?一人っ子政策ドンピシャだから、お孫ちゃんは一人だけなのかもな。

 

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その後、ぼくは転職して、色々会社も変わったし、いろんなところで担々麺も食べたけど、日本で汁なし坦々もいっぱい食べたけど、やっぱりチャイナ・ホテルの担々麺は忘れられない。

 

もしかしたら、今あの担々麺を食べたら、「うーん、こんな味?だったのかな...?」とか感じてしまうのかもな。初恋の彼女が自分の頭の中では広瀬すずさんとそっくりだった記憶がある、みたいな?ヽ(´▽`)/ *2

 

担々麺は、汁なしだよね〜。

 

2019.4.1 追伸

新元号は「麻辣(まーらー)」、出典は汁なし坦々麺。

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おいおい、エイプリルフールだぜヽ(´▽`)/

ラ王の汁なし坦々麺、なかなかのおいしさです。 

 

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*1:今は「服務員(ふーぃぇん)と呼ばないといけないらしい。てか、誰を呼ぶのも「你好(ニーハオ)」だったのにはびっくりした。地方から来る若い人が多いせいなのかも。

*2:5年ぐらい前に同窓会で会った。中二の頃と同じく、いやもっと可愛らしかったさ、そりゃあもう。

本当の枝豆の食べ方はね

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塀の上にいるのはだれ? 落ちたら割れちゃうのにさ

"I don't know what you mean by 'glory,' " Alice said.

Humpty Dumpty smiled contemptuously. "Of course you don't—till I tell you. I meant 'there's a nice knock-down argument for you!' "

"But 'glory' doesn't mean 'a nice knock-down argument'," Alice objected.

"When I use a word," Humpty Dumpty said, in rather a scornful tone, "it means just what I choose it to mean—neither more nor less."

 

「あなたがどんな意味で『栄光(glory-グローリー)』という言葉を使ってんのわかんないよ」とアリスは言いました。

ハンプティ・ダンプティは小馬鹿にしたように笑いながら、「わかるわきゃないさ、説明してないんだもの。『びっくりしてひっくり返っちゃうような理屈 (argument) 』という意味で使ったんだ」

「だって『栄光』にはそんな『びっくりしてひっくり返っちゃうような理屈 (argument) 』なんて意味はないじゃない!」とアリスは口をとんがらかしました。

すると、ハンプティ・ダンプティはなんかちょっと見下すように言いました。
「吾輩が言葉を発するときにはだな、吾輩が意味するところの意味を意味しておって、正確に意味するだけのこと以上の意味も一部だけの意味でもさにあらず、その意味で他の意味は意味しないのだ」

        鏡の国のアリス- ルイス・キャロル

 

これを「ハンプティ・ダンプティの定義」という。

 

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割れてる? 関係ないよ、食べちゃった

 

「そうじゃない、本当の枝豆の食べ方はね......」

「日本人はお風呂の入り方が下手なんだと思うのですよ。お風呂を上手に入るためにはこうするんです」

「リーダーシップとマネジメントを混同してはいけない。目的と目標や、戦略を計画と勘違いしている人も多いです。ですから私たちの提案では......」

「インターネットが進んでどんどんどんどん不確実性が増している現代......」

「働き方改革により、現場では『ジタハラ(時短ハラスメント)』が増えるでしょう」

「土方や沖田に比べて、影が薄い近藤勇ですが......」*1

「モラハラ(モラルハラスメント)はパワハラやセクハラに比べて、あまり認知されていませんが、実はとっても深刻な問題を引き起こすものであって.......」

 

+++++++++

 

自分で前提や言葉を定義したり作ったりして、それが正しいとか正しくないとか、この世の中はハンプティ・ダンプティばっかりだ。

 

ぼくが好きな玉子の食べ方は、目玉焼き。サニーサイドアップ。

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目玉焼きじゃないじゃん!?

 

吾輩はこれを『目玉焼き』と定義してそう呼ぶのだ。吾輩が『目玉焼き』という言葉を使う場合それ以外の意味は一切排除している。
『定義(difinition)』と『性質決定(qualifications)』とは違うのだよ。

  

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*1:新撰組ファンだという女性漫画家がTV番組(天然理心流の実戦での強さを検証するものだったな)でのたまわってて、本当、塀の上から落っこちそうになるくらいびっくらこいた!

春、新入社員のあなたに

来週からは新年度ですね。
新社会人になる方々、おめでとうございます*1
人生はマラソンゲームです。大丈夫、大丈夫ヽ(´▽`)/ 

 

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一歩一歩、着実にね。

落語のマクラじゃないけど、新入社員研修のときや、配属研修のとき、必ずする話がありました。

1. 貯金はしたほうがいいよ。
2. 土日の休みのうち、半日(3時間)でいいから、何かのテーマで勉強をしなさい。
3. 仕事の見取り稽古をするんだ。

 

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焦らなくてもいいんだよ。

配属されて半年くらいするとね、会社の課題や職場の課題がみえてくる*2。その課題に部長や課長、先輩がどう取り組んでいるか、どう取り組もうとしてるか、どう判断してどう動くのか、じっくり観察するんだ。
おっと、意見を言うのはまだちょっと早いかな。でも、そのうち:

・「なんであんなやり方をするんだろう、もっといい方法もあるのに」と思うこともあるだろうし、
・「なるほど、ああすればいいのか!」と気がつくこともある。

それをね、文章・メモにして、口に出してその文章を読んでみるともっといいよ。

これを「仕事の見取り稽古」と言う*3

 

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いつでも別の道はある!

そのうちにね、この人、仕事ができるな〜って言う人がみえてくる。配属された当初、人生や仕事を熱く語る先輩や上司、そんな人がそのまま「できる」人であることももちろんあるけど、見かけ倒しの口先野郎であることも多い。実は、もさっとして冴えないオヤジだなな〜こいつ、みたいなタイプの人が、二枚腰、三枚腰の交渉の達人だったりもするので面白い。
そんなできる人を見つけて、その人を観察して、見取り稽古をする。

 

ビジネスの判断と行動の見取り稽古。これやっとくとね、これやる癖をつけておくとね、将来とっても役に立ちますよ〜!

 

もちろんそんな「見取り稽古」 をやってることを先輩や上司、あるいは同僚に話す必要はないです。むしろ黙っておきましょうね。

 

仕事の見取り稽古については別の記事でも書いていますので、よかったら読んでください。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

tavigayninh.hatenadiary.jp

 

 

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*1:「新入社員の皆さん、ぼくは今は『おめでとう』とは言いません。定年を迎えて無事退職するとき初めて『おめでとう』と申し上げたい」と毎年スピーチするのが A-さんでした(ぼくより6歳ぐらい年下の人)。単に人と違うことを言って目立ちたいだけの人だったな。... ていうか、定年退職者には「おめでとう」ではなくて「お疲れ様でした!」なんじゃないの? それに新人が定年で退職するとき、あんたもう人生を退職してるでしょっての!

*2:四月からそれが何かをよーく観察してね。

*3:大昔、危機管理の佐々淳行さんの本でこの方法を読みぼくはそれをやってみました。本はほとんど処分してしまったので間違えていたらごめんなさい。