「人の心を試してはいけないんだよ。お菊はお皿を割ったから手打ちにされたのではないんだ。殿様の心を試したから斬られたんだよ」
多分ぼくが小学校の高学年の頃だと思う。三越の落語会で正蔵(当時・のちの彦六)の芝居噺か怪談話かを聴いた後、母親がそう言っていた。*1
自分がどれほど好かれているのか、本当に愛されているのかどうか、それを確認するために、その人の心を試してはいけない。
実はこの記事を書くに当たって、番町皿屋敷のお話をネットでちょいちょいと調べました。皿屋敷の話は、いくつかバリエーションがあるんですと。
母親が教えてくれた、お菊さんと殿様が、実は恋仲だったけど、身分違いのお菊さんがわざとお家の大事なお皿を割って、自分をとるかお皿をとるか、お殿様の本心を試したことが悲劇の始まりだった... というストーリーは... なんと!
岡本綺堂*2が大正六年に発表した戯曲での新解釈(?)だったんですね! いや〜、まだまだ勉強が足りません。
「人のこころを試してはいけない」と言った母親の言葉が、「だからxxxxx しなさい」とか「だから xxxxx してはいけないよ」とかに発展して行った記憶はない。
「好きな人の心は試してはいけない」
ピリオド。
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