〜 ハリセンボンのおびれ ・旅芸人 〜

生活と愉しみ そして回想・朽木鴻次郎

事務屋の失敗 〜 助けてください!

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会社員になって、2年目ぐらいのことだと思います。

当時13行あった都銀とそれぞれおつきあいがあって、そちらを払込銀行としてほぼ毎月プロジェクトのための増資がありました。第三者割当増資です。その手続きは複雑ではあるんですが、毎回全く同じ。日付と金額が変わるだけでした。だから任されたんでしょうね。
 
でも、ぼくは失敗したんです。

都銀13行、全てに配布した書類の一部に誤記入がありました。気がついたのは、日本興業銀行の担当の方。当社の担当の経理課長のS-さんのところに、書類配布の翌日、朝イチで電話がありました。

「書類が違います...!」

S-さんは当時40歳と少し。カミソリのように、キレッキレな仕事ぶりの方です。
 
間違いがあると連絡を受けて、それからの経理課長としてのS-さんの行動が早かった。残り12行の担当者に電話をかけまくりました。

「助けてください! 書類を間違えました。今から差し替えに伺います! 助けてください!」

ミスをしたぼくを叱るまえに、まず動いてくれました。そして...

「いくよ〜(^,+)¥」
 
 

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修正した書類を準備したぼくを引き連れて、銀行巡りです。一行あたり30分としても、ゆうに6時間はかかります。

「申し訳ありませんでした!」

すべての書類差し替えが終わって、ぼくはSさんに改めて謝罪しました。

Sさんは、怒りもせず、説教もせず、かるーい調子でこうおっしゃいました。

この程度のことで、この次は、間違えないで、ちょ〜だ〜い、ね〜〜( ̄ー ̄)

 

身にしみました。大声で怒られるよりずっとずっとです。だからこうして覚えているんだな。「その程度のこと」ができなかったんだ......
 
 

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以来、幾星霜、ムダにバレイを重ねて来ましたが、ここぞ!と言う窮地のタイミングで、ぼくも何回か使わせていただきました。
 
S-さん直伝の:
「助けてください...!」
 
 

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