ジャパニーズ・シンプル(Japanese Simple)がすげーっていうけど、日本の簡素ってのは「すごく飾り付けたものの美を分かった上でそれを超える美としての意図された簡素」なんであって、単なる簡素じゃないんだよな(関口知宏)
俳優・旅人の関口知宏さんが、ヨーロッパを巡る鉄道旅行のあるエピソードでそうおっしゃっていました。
これを聞いて積年の思いが、ストンと収まった。
大学初年以来の畏友のエス君とは君子の交わりなんとやらでつかず離れずそろそろ40年にもなろうという付き合いである。人格的にも社会的にも立派な人間であり、友人として尊敬もしておる。
飲みに行くとね、焼き鳥を「塩で、塩で!」って彼はいうのさ。あるとき、なんで? って聞いたら
「塩はうまいじゃないか!」
焼き鳥を「塩がうまい」っていうのは、「タレ」や「大根おろしにウズラ玉子」や「あえてのカレー味」とか他の楽しみ方もあってその上で簡素なきわまりの「一つ」としての「塩」なんだよ。
塩の焼き鳥はうまいんです。でもさ、「塩の焼き鳥はうまい」と口に出して、塩の焼き鳥だけを頼んで、それでいいのかよ!
オレはタレでも食べたいんだよヽ(´▽`)/
...つくねとかさ、レバーとかさ。
同じく関口知宏さんの言葉で印象に残っているものがある。
スエーデン編の最終日。終着駅から降り立った関口さんがこう言う。
ここは日本と同じ地球なんだ。世界はちゃんと違うんだよ。
すごい名言だと思いました。10数年前に京都に来たとき、すごく構えちゃったんだけど、その日、アパートの階下のセブンイレブンでトイレットペーパを買って、「なんだ日本じゃないか」って思ったよ。
同じ焼き鳥でも塩とタレは違う。塩とタレで違っても、焼き鳥は焼き鳥。タレも食べると塩もうまい。塩がうまいからタレの味も楽しめる。「大根おろしにウズラ玉子や「あえてのカレー味」もまた美味しい。
ぼくはそう思う。
エス君、来年は関東にもどるから、一緒にシェラスコ行こうねヽ(´▽`)/
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