老後の資金の不安を煽る声もヒデーものだが、老後は「自由にやりたいことをやれ」「ヒマを持て余すな」「100歳までの時間を充実させろ」とありもしないリタ充(リタイア充実ライフ)をあげつらって商売のたねにする人たちも無責任だ。「定年後は時間が余って暇になるから持て余す」ってゆってるその著者が、おんなじ本で「健康でいられる時間は短いから心しておけ」って、あのね、おっさん、わしゃワケわからんヨー。
現実は常にアルファとオメガの間にある。
「間(あいだ)」と行っても色々あるよね。根元の方なのか、先っちょの方なのか、それとも厳密な中間地点なのか。
+++++
誤解というのは面白い。
長年「百尺竿頭に一歩を誤る」と覚えていた。頑張って進んで来て、最後の一歩で落っこっちゃう、みたいな。
でもそれは誤解で、本当は「一歩を進める」というのだそうだ。
・百尺竿頭進一歩
百尺竿頭、これ以上先はない物事のきわまり、でもそこに至ってもさらに一歩を進める、もう一歩努力して前に進め、って教えだそうだが......
それは無理だ。
それこそ落っこっちゃうもの。
ゴールが近くなっても踏み外さないようにその一歩を注意しなさいよ、一歩を誤るな、という教えの方がぼくにはしっくりくるな。
いや、むしろ、むしろですね。
「百尺竿頭、一歩を退く」
・百尺竿頭退一歩
一歩手前で止めておく、仮に進めることが可能であっても一歩足りないところでとどまる、くらいの方がいいのかもな。
美学っちゃビガクかもですが、根性が足りないのよ、オレ。
例えば、筋トレのシメで「腕立て、シングル32回〜〜〜!」なんてときでも31回やって最後の一回は膝をつく、最後まで行けないの。
よく考えるとですね、最後ギリギリまで追い込まない、てか追い込めない、ずっとそんな生き方をしてきた気がする。
いいのかそれで? それでいいのだ。レット・イト・ビー、クインビー。
© 旅芸人・tavigayninh・朽木鴻次郎
姉妹ブログ:カメラと写真・旅芸人〜タバスコとシナモン
ツイッター:https://twitter.com/tavigayninh
インスタグラム: tavigayninh