新入社員のころ、上司・先輩から「クチキー、お前は一から十まで全部言われなくてはわからないのか......!」とよく嘆かれたものだ。
そりゃそうなんだけどさ、ずるい上司がいて、わざわざ皆までは言わないでおいて、こっちが「忖度」してあれこれとやって持っていくと、「違うだろう!」と後出しジャンケンをするんですな... だから事前に聞くんだよ。そんでもって、聞くと怒られる。
狡猾だ。ずるい。言外に匂わす。言われないことでもやって当たり前。そういうコミュニケーションを本質的には狡いとぼくは考える。
自分では明言しない。言わないのに結果をもとめることが狡いのだ。
後出しジャンケンは狡猾だけど、そもそもで言うと、忖度すること、相手の意図を考え抜いて、その意図をオモンパカることは、ビジネスだけではなくて人間社会では必要なことだと思うよ。
「バカヤロー、もういい、帰れ!」
今こんなことを職場で言ったら、人事に言いつけられて大変なことになるのですが、昔はよくあったよね。
それでマジに帰ろうとする空気の読めない同僚がいて、「帰れと言われて帰るやつがあるか!」と、なおさら怒られて、廊下で涙こぼして泣いてたというヽ(´▽`)/
不器用なやつだったな... 今、どうしてんだろう。
1990年代のおわりくらいのこと。
当時20代の若手社員が、「本件は誠に遺憾に存じますが、うんぬん」と書いた取引先への回答文書の原稿を持ってきて、当時50代の上司の決済を仰いだところ...
「...そうだよな、君(20代)くらいの年齢ならそうは思わないかもしれないがな、『誠に遺憾に存じます』って、俺ら(50代)くらいの歳の人間には、冗談か、ふざけてるようにしか聞こえないんだ。書き直してくれないか?」
・クレイジーキャッツのコミックソング「誠に遺憾に存じます」が流行したのも今ではもう昔のこと。
最近はときどき見かけるから、ようやく使えるようになったかな。ここまでに50年かかったのか。
・そんな報告受けてない
・事実とすれば大変だ
・すぐに調べて善処する
・誠に遺憾に存じます
この辺の言葉は地雷っちゅうか、使えなかったね。
特に「すぐに調べて善処します」なんて言ったもんなら:
「お前は役人か!フザケンナ!」
って書類を投げつけられて怒られたよ。
「記憶にございません」が流行語になったのはもう四十年も前のことだ。ようやくまた同じような文脈で使われている。
宿題やってきてないのか!? って学校の先生に怒鳴られて「記憶にございません」なんて答えたりすると、教室ではドッと受けたが、ぶん殴られて教壇に正座させらたものだ。
当時は体罰が許されていたのよ。
...はい。
「忖度する」ってことは、ほんらいは仕事に必要なことです。
一を聞いて十を知る。ツーと言えばカー。
- お昼何食べたい?
- なんでもいいわよ...
だからって、どこでも・なんでもいいってわけじゃない。
「なんでもいいわよ」っていうのをよくわかる日本語に翻訳すると;
「今までの付き合いの中からアタシの嗜好をよく考えて、今日のアタシをよく観察して、アタシが何が食べたいかアタシの立場に立って考えなさいね、アタシのことが欲しいのならね」
という意味なのですな。
男の子の人生は常に試練にさらされているのです。さらさらさらヽ(´▽`)/
「察してちゃん」って言うんだってさ。
批判されたりしてるらしいけど、程度の問題だし、かわいいもんだとおもうよ。